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しもやけ

Q1

寒くなるとしもやけになります。原因と対策について教えてください。

A1

正式には凍瘡(とうそう)といいます。

寒冷に暴露されてから12~24時間で手足や耳介・鼻など循環障害のおこりやすい末梢部に赤みや腫れが生じ、しだいに紫紅色となりかゆみや痛みを伴います。原因は静脈循環障害の遺伝的な素因に加えて、寒冷暴露と日内の大きな温度差が考えられています。
気温4~5度、一日の温度差10度前後が発症の最適条件とされていますので、厳寒期よりも晩秋や春先に多いのです。また、手足の多汗症がありますと悪化要因になります。
似た症状を呈する病気として、エリテマトーデスという膠原病(こうげんびょう〉やクリオグロブリン血症という耳慣れない病気があり鑑別が必要です。

暖かくなっても治らないときはエリテマトーデスの可能性を考える必要があります。治療はビタミンEの外用や内服、消炎鎮痛剤、かゆみ止め、桂枝茯苓丸などの漢方薬が有効です。また、保温に努め局所マッサージを行なったり、多汗症の場合は通気性のよい靴をはき、靴下を頻回に替える必要があります。

やけど

Q1

3歳の息子がカップラーメンをこぼして太ももにかかり、やけどをしてしまいました。このような場合の応急処置はどうすればよいのでしょうか

A1

やけどをしたらすぐに受傷部位を水(なるべく水道などの流水)で冷やします。患部を冷やす事で、熱が深い部分にまで達しないようにします。
受傷面積の拡大も防がれ、痛みも軽くなります。10分以上は冷やし続けてください。
衣服の上から熱湯がかかったような場合は、衣服の上から水をかけて冷やします。無理に衣服を脱がせようとすると、こすれて患部の皮膚がはがれてしまうことがあります。まず充分に冷やしてから衣服を脱がせます。脱がせる際に患部をさらに傷める危険性がある場合には、はさみで服を切って脱がせてください。
水ぶくれができているときは、破らないようにします。

また、みそなどを患部につけるなどの自家療法は、細菌感染の恐れがありますので絶対にしないでください。
充分に冷やしてから医療機関に受診してください。

円形脱毛症

Q1

美容室で円形脱毛があると言われました。どんどん抜けてしまうのか心配です。いい治療はありますか。

A1

原因は不明のこともありますが、主に2つ考えられています。

1つは毛根にダメージを与える自己免疫的な原因。自己防衛としてのリンパ球が自分の細胞である毛根を攻撃してしまう反応です。
もう1つは自律神経機能障害です。自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、そのバランスがストレス などによって崩れてしまうために生じます。

治療はステロイドの外用薬や注射、自律神経を安定させる漢方薬や近赤外線照射治療、低出力レーザーの星状神経節や患部への照射が有効です。

尋常性白斑

Q1

40才ですが身体の数カ所に白い色の抜けたところがあり拡がっています。白斑でしょうか。

A1

尋常性白斑が疑われます。原因は末梢神経機能異常と自己免疫学的な異常の2通りが考えられています。

色々なところに見られる場合は自己免疫学的な異常つまり色素を作っている自己の色素細胞に対して攻撃をする過剰な免疫が働いている可能性があります。
甲状腺機能低下症などに合併することがあります。
治療はナローバンドUVBの照射や活性型ビタミンD3の外用や低出力レーザーなどが有効と考えられています。

全身性エリテマトーデス

Q1

全身性エリテマトーデスと診断されました。どんな病気ですか。

A1

全身性エリテマトーデスは自分の体を自分の免疫が攻撃してしまう、自己免疫反応によりさまざまな炎症が起こります。発症や悪化の誘因は紫外線曝露、寒冷刺激、感染症、妊娠・出産、薬剤、ストレスなどがあります。

症状は全身症状、皮膚症状、内臓臓器の症状が見られます。全身症状として発熱、全身倦怠感、関節痛などです。皮膚の症状は両頬の赤い発疹で蝶が羽を広げている形に似ているので、蝶型紅斑と呼ばれています 。円板状の紅斑も、この病気に特徴的で、顔面、耳、首などに見られます。紫外線に暴露した後に、日光過敏症や反対に寒冷刺激により手指が白く冷たくなるレイノー現象や凍瘡(しもやけ)様紅斑が出現します。びまん性脱毛が起こる場合もあります。内臓の臓器では腎炎がもっとも多くみられますが、肺、心臓、消化管、脳など多くの臓器に症状が出ることが知られています。

治療について免疫を抑える作用のある薬を使います。このうちステロイド薬は、最初は多めに、徐々に減らして少量の維持量を長期間続けます。症状や病勢が強い場合免疫抑制剤を一緒投与します。男女比は1:9で、圧倒的に女性に多い病気です。

毛細血管拡張症

Q1

23才女性ですが、顔の血管拡張が目立ちます。人前に出るのが恥ずかしいのですが、いい治療法はあるのでしょうか。

A1

ふた通りの方法があります。

1つは赤い色素に反応する色素レーザーを用いて治療を行います。3か月おきに数回の治療が必要です。保険適応です。強めの治療なので紫斑などが生じる可能性があります。

もう1つは、光治療(IPL:インテンスパルスライト)があります。赤い色素に反応する光を照射する方法で、約3週間に一度の照射を数回おこないます。穏やかな治療法です。保険外の治療です。治療には治療の限界、リスクもあり、適応・注意事項をご理解頂いて治療を受けて下さい。

腋臭症(わきが)

Q1

腋臭症(わきが)が気になります。どうしたらよいでしょうか。

A1

腋臭症は局所の多汗と、アポクリン汗腺が思春期以降に活発化するために生じます。汗自体は無臭ですが、これに表皮の常在菌が汗の中の脂質を分解し、これに垢(あか)や脂腺、エクリン汗腺の分泌物などが混ざり臭いを発します。
治療と予防は、腋毛の処理。腋毛は細菌を増殖し、臭いのついた汗を長時間保待し発散させます。

  • 発汗の抑制。アルミニウムを主とした制汗剤で、市販でもいろいろのタイプのデオドラント製品が売られています。最近では塩化アルミニウムと乳酸アルミニウムの2つの成分を配合した制汗剤があり効果が高いです。
  • 殺菌剤による常在菌の抑制。
  • 消臭成分で臭いを抑える。酸化亜鉛、フラボノイド、クロロフィルなどが有効です。
  • 香水やオーデコロンで臭いをマスクする。
  • 漢方薬(越婢加朮湯、防己黄耆湯など)で発汗を抑える。
  • 有臭性飲食物(アルコール、ニラ、ニンニク、玉ねぎ)を避ける。
  • ビタミンB製剤で脂質の分泌を抑える。
  • よく洗浄する。

A型ボツリヌス菌毒素注射があります。
汗の腺はアセチルコリンという神経伝達物質が発汗を促しています。A型ボツリヌス菌毒素はこの働きを抑制します。個人差はありますが、4〜6ヶ月で効果はなくなりますので定期的に注射しなければなりません。注射時多少の痛みがあります。
また、電磁波治療があります。これはマイクロウェーブという電磁波を皮膚の表面から照射することで、汗腺の中の水分に熱だまりを起こして汗腺を破壊するものです。1〜2回の治療で70%以上の汗腺に半永久的なダメージを与えることができます。(保険外の治療です。)
治療の効果に個人差がありますし、治療後の腫れ、痛み、稀に一時的な神経麻痺や上腕部の索状のつっぱりなどのリスクもあります。適応かどうかまずは診察を受けることをお勧めします。

日本人は臭いが少ないのですが、いずれにしても自分だけで悩まず、専門医を受診してください。