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細菌・真菌感染症

ニキビ

Q1

ニキビ用洗顔料で洗ってもニキビが悪化し肌もかさついています。どうしたらよいですか。

A1

洗顔は大切ですが、しすぎにより炎症を起こしたり、皮脂の分泌が亢進したりして注意が必要です。皮膚には脂肪酸を作って皮膚環境を守る常在菌がいます。この常在菌は皮脂や古くなった角質、残った石けん成分をエサにします。強い合成界面活性剤を含んだクレンジングや洗顔料によって保湿成分や皮脂を過剰に奪うために、常在菌が減ってしまい悪玉菌が繁殖してニキビが悪化している可能性があります。また皮膚荒れの原因にもなります。

ご質間の方の肌は乾燥型脂性肌といって、皮脂量が多いのに水分が不足している混合肌だと考えられます。この場合、肌荒れをおこしているにもかかわらずニキビが多くなります。これは乾燥による水分の喪失を防ごうと皮脂の分泌を盛んにするのですが、毛穴が乾燥によって硬くなったり、化粧によってふさがれてニキビができやすくなるのです。

さらに、生理前になりますと、「黄体期」といって黄体ホルモンが盛んに分泌されます。このホルモンには男性ホルモンと同じように皮脂の分泌を高める働きがあるため、ニキビができやすくなったり悪化しやすくなるのです。
この方の場合、石油系界面活性剤を含まない、脱脂力の弱いセッケンで洗ってください。洗顔後は刺激の少ない保湿化粧水や油分を含まない保湿ゲルなどを使うといいでしょう。

Q2

ニキビの原因はどのようなものがありますか。

A2

原因を列挙しますと

  • 甘いもの、油分の多いものを摂りすぎてミネラル、ビタミン、食物繊維などの不足で栄養のバランスが悪くなる。カフェインの取り過ぎ。
  • 便秘や下痢などの胃腸障害
  • ストレスや寝不足
  • 日光や触るなどの刺激、皮膚の乾燥による毛穴の角化
  • 油分が多く毛穴をぶさぐような化粧(乳液や油性ファンデーションなど)
  • ある種の内服薬(副腎皮質ホルモン、経口避妊薬など)
  • 思春期における男性ホルモンの分泌増加
  • 肩こり、冷え性、生理不順
  • 不適切な洗顔
  • ビタミンB2、B6、Cの不足
  • ニキビ桿菌の活動

…などさまざまです。

Q3

ニキビはつぶしてもよいのですか。

A3

ニキビは自分ではつぶさないでください。

ニキビの周りも挫滅させて跡が残ったり、細菌を周りにばらまくことになります。皮膚科では毛穴の詰まりを改善する外用薬や、滅菌された器具で跡を残さないようにニキビを圧出します。またCO2レーザーやピーリング、機械で毛穴の掃除をしたりするような治療もありますのでご相談下さい。

Q4

ニキビに有効というニキビ用化粧品しか使っていないのにニキビができます。どうしてですか。

A4

ニキビ用化粧品と謳えるのは、国がニキビに有効であると認めた有効成分の配合されている医薬部外品になります。ただし医薬品ほどの薬効のある成分ではありませんし、肌質やニキビの種類、使う部位、使い方によって効果はかなり異なってきますし、逆に悪化する場合もあります。

たとえばニキビケアでよく使われるサリチル酸は、角質層を柔軟にする作用と殺菌効果がありますが、酸性度が強く肌の乾燥を招いたり、敏感肌の人はかゆみや発赤を起こしたりする可能性があります。殺菌効果の強い化粧品は、肌の状態を正常に保っている常在菌を減らしたり刺激を与えたりします。
また、皮脂など肌の潤いを取りすぎるスキンケア用品も逆効果になります。
医薬部外品には防腐剤が入ってなければ認可がおりませんから、当然肌に合わない方が生じます。

化粧品は治療するためのものではありません。
健康な肌に用いることが前提に作られているので、自分の肌質や使用部位、使用方法をしっかり理解して選ぶといいと思います。

Q5

ニキビの保険を使っての外用薬の治療にはどのようなものがありますか。

A5

ニキビの状態や部位、肌質を総合的に判断して治療を行いますが、一般論として概略をのべますと、まずは抗菌作用のあるもの。ゲル基剤やローション、クリームなどがあります。ローションがいちばん浸透性がありますが人によっては刺激を感じます。ゲルが水分保持作用も有し油分を含まないためにいちばん多く処方します。人によっては肌に合わなかったり、菌が抵抗性を獲得して効果が見られない場合があります。

次に、角質生成抑制作用のあるアダパレンという、第三世代のレチノイドで毛穴の詰まりを改善する効果があります。人によって刺激感や赤みが出やすい外用薬です。寝る前に顔に塗ります。
肌の弱いところへは使えません。

さらに、過酸化ベンゾイルという外用薬があります。
過酸化ベンゾイル(BPO、ベンゾイル・パーオキシド)は、強力な殺菌作用、角質剥離作用、乾燥促進作用を持つ薬品。肌に塗布すると酸素を産生するため、嫌気性で空気を嫌うアクネ菌を強力に殺菌することが可能です。角質剥離作用があり刺激も強いのですが、白ニキビや黒ニキビなどの毛穴が詰まったニキビに大変有効です。最近では過酸化ベンゾイルに抗菌薬が配合されたもの、過酸化ベンゾイルにアダパレンの配合されたものも出てきております。
やや刺激の強い薬品なので、敏感肌の方は腫れや痒みを引き起こす可能性があります。過去にこの薬剤が入っている化粧品を使用したことがあり、アレルギーがある方には使えません。
はじめは少しの部位から短い時間での使用を勧めます。またしっかり保湿をしながらの使用をお勧めします。

非常にオイリーな肌でニキビダニという毛包虫が原因と思われる場合には、硫黄の入ったイオウカンフルローションが有効です。とくに胸背部によく使用します。皮膚は少し乾燥しますが効果があります。

Q6

ニキビの漢方治療に興味があります。どのような効果がありますか。

A6

漢方はいろいろな薬効の生薬が配合されていて、体内や皮膚の環境を改善する効果があります。
炎症を抑える、水のバランスを整える、血流を改善する、潤いを与える、余分な熱をとる、栄養を与える、ホルモンバランスを整える、気分を和らげるなど、様々な効果が期待できます。

ニキビの漢方として代表的な十味敗毒湯は、炎症や腫れを抑えホルモンバランスを整える作用があります。

清上防風湯も強い炎症抑制作用があり赤みを抑えます。桂枝茯苓丸加ヨクイニンは肩こりや冷えのある方に有効で、血流を改善し炎症を鎮めホルモンバランスを整える作用があります。

また、便秘を改善しデトックス効果のある漢方やイライラを改善する漢方もありますので、ニキビとその背景にある体内状況の改善に取り組むとよいと思います。

Q7

ニキビ跡(赤みと凹み)の保険外の治療にはどのようなものがありますか。

A7

ニキビ跡は難治性ですがいくつかの治療法があります。

まず赤みですが血管腫、毛細血管拡張の治療に使う色素レーザーを複数回照射して治療します。ニキビ跡の赤い色素に反応して赤みの改善を行います。治療後に一時的な紫斑が見られます。

凹みには皮膚に直接細かな複数の穴を瞬時に開けるフラクショナルレーザーが有効です。
また、トルクロール酢酸と過酸化水素を塗布することで、表皮強いに障害を与えずに真皮のコラーゲン再生を促す治療も有効です。

いずれも複数回の治療を要しますし、治療効果に個人差もあり発赤、痛み、腫れや熱傷などのリスクもありますので、適応や注意事項をご理解頂いて詳しい診察を受けて納得してから治療を受けて下さい。

陥入爪

Q1

足の親指の爪が側縁の部分にくい込んで赤くはれ上がって痛みがあります。どうしたら良いのでしょうか。

A1

陥入爪(かんにゅうそう)という爪が皮膚を傷つけて、感染をおこし炎症を伴っている状態です。ひどい場合は化膿性肉芽腫(かのうせいにくげしゅ)といって皮膚が増殖して真っ赤にはれ上がります。

原因としては

  • もともと遺伝的に爪の弯曲が強い。
  • 靴が合わない、歩き方が悪い、スポーツや立ち仕事が多いなどの外的刺激によって爪がだんだん変形してくる。
  • 爪を切り過ぎていて、周りの皮膚が爪にかぶさるようにふくらんでくる。
  • 爪が水虫にかかり白濁や肥厚してきて爪の強度が低下し外的なカで容易に変形してくる。

などです。

治療としては軽症であればくい込んでいる爪を部分的に切除して抗生物質などで炎症を抑えますが、爪が小さくなるのでなるべく切らない方法を取ります。盛り上がった肉芽は綿棒などで圧迫固定して治療します。重症のものは炭酸ガスレーザーなどでの焼灼切除を行います。 爪の変形に対してはインベントワイヤーやプラスチックプレートを装着で治療を行います。

いずれにしても我慢せずに早めに診察治療を受けることを勧めます。

酒皶(しゅさ)

Q1

顔のかぶれで市販のステロイド外用薬を約1カ月付けていたら、頬に赤いニキビのようなプツプツが出来て薬を付けても悪化してきました。どうしたらいいのでしょうか。

A1

これは酒皶様皮膚炎といって、ニキビ様の症状・血管拡張が見られる病気です。
原因はニキビダニという毛包虫が毛穴の中で過剰に増殖するために起こることが考えられています。これは赤ちゃん以外に普通毛穴の中に生育しているものですが、ステロイド外用薬やタクロリムスの長期の使用やオイリーなコスメの使用、洗顔が不十分のときに現れます。

治療は、ステロイド外用薬を止め硫黄カンフルローション外用や抗生物質、漢方薬で治療します。
血管拡張がひどい場合は色素レーザーなどの治療が有効です。

また、ストレス、飲酒、刺激物の摂取、日光などは増悪因子になりますので注意が必要です。簡単には治りませんので、病気をよく理解して根気よく治療を受けましょう。

水虫

Q1

薬局で水虫と言われ薬をつけてもよくなりません。どうしてなのですか。

A1

ふたつの原因が考えられます。

本当は水虫ではなかった場合
水虫は白癬菌(はくせんきん)というカピによって生じる病気で小さな水疱ができたり皮がむけたり皮膚が厚くなったりしてときに痒みを伴う疾患ですが、全く同じような症状を呈してくる病気に、汗が角質の下にたまってくる異汗性湿疹(いかんせいしっしん〉や、膿疱が出現してくる掌蹠膿庖症(しょうせきのうほうしょう)などがあり、カビの検査をしなければ診断がつきません。冶療法も全く異なり、水虫薬でかえってかぶれなどを起こすこともたびたびです。
本当に水虫であっても薬が合わなかった場合
水虫でも色々の症状を呈してくるため、その症状に合わせた外用薬を使わなければよくなってきません。逆に悪化する場合もあります。
つまり、専門医の診断が必要だということです

伝染性膿痂疹(とびひ)

Q1

子供が虫さされで、掻いているうちに皮膚がむけて水疱になりあちこちに拡がってきました。何でしょうか。

A1

伝染性膿痂疹(俗称:とびひ)が考えられます。

乳幼児や学童期の子供にこの場合のように虫さされやアセモ、アトピー性皮膚炎などの皮膚病変がありますと、掻くことによって細菌感染、主として黄色ブドウ球菌が皮膚の表層に侵入して毒素を出し皮膚細胞同士の結び付きを弱め、水疱を生じてくるのです。好発部位は顔、体幹、四肢ですが鼻の周辺から始まることが多いです。

伝染力は強く、家庭内だけでなく保育所、幼稚園などで集団発生がよく見られます。

治療は抗生物質の内服と外用によります。湿疹の薬では悪化する場合もあり注意が必要です。重症例では入院治療を要する場合もあります。日常の注意としましては、入浴やシャワーで皮膚の清潔を保つことがまず第一で、体調を整えることも大切です。また、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患をきちんとコントロールしておくことも重要です。

いずれにしても他人に感染させる病気ですので早めに専門的治療を受けましょう。