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先天性疾患・母斑

色素性母斑(ほくろ)

Q1

顔にいくつも「ほくろ」があり悩んでいます。取ってあとが残ったり運が悪くなったりしますか。

A1

顔の「ほくろ」を取る方法としては、手術で取る方法とレーザーなどで取る方法があります。
いずれの場合も局部に麻酔をしておこないます。

手術の場合、メスで「ほくろ」より少し大きめにまわりの皮膚を切り取り、止血と手術跡を目立たなくするために糸で皮膚を縫い合わせます。普通、手術後3~7日で抜糸します。傷あとは線として残り瘢痕を残す場合があります。
悪性の「ほくろ」でない場合はレーザー治療が可能です。エルビウムヤグレーザーや炭酸ガスレーザーなどで治療する場合は、「ほくろ」の大きさで蒸散させていきます。その後に、色素に反応するレーザーを重ね打ちする場合があります。傷あとは円く少し残ります。色素が深い大きな「ほくろ」は、レーザーの適応ではありません。治療は保険外であり完全に組織を取るわけでないので再発があること、瘢痕や凹み、赤みなどの跡が残ることがあります。顔の中心部にあったり、左右対称の「ほくろ」は美容的に見た場合良くないと言われています。
また、「ほくろ」を取ることによって運が悪くなるというのは迷信のようです。

「ほくろ」の癌は

  • 急に大きくなる。形が変形してくる。
  • 色が変わったり周りにしみ出したりする
  • 出血やただれがみられる。

などです。
これらの場合、組織学的な検査が必要となります。

「ほくろ」の簡易的な診断にはダーモスコピーが有効です。まずは診察を受け、適応、注意事項をご理解頂いて治療を受けて下さい。

Q2

足のうらの「ほくろ」は悪性化しやすいと聞きましたが、本当ですか。

A2

本当です。
「ほくろ」の悪性腫瘍はメラノーマ(悪性黒色腫〉と言い、大変悪性度の高い腫瘍で、一度発病すると死亡率が非常に高い恐ろしい病気です。
日本人の場合、発生部位別の頻度を見ますと、足からの発生が全体の約40%で、そのうち足底からのものは約8割を占めます。つまり、足底のものは他の部位に比べて20倍悪性化する確率が高いのです。
足底からの発生が多い理由は、常に体重が加わっていることと、外傷の機会が多いということです。
足底の色素斑の大きさが最大計で7mm以上のものはメラノーマの初期病変の可能性があります。
それ以下の大きさのものでも以下の条件が一つでもあれば切除する必要性があります。

  • 左右が非対称である。
  • 色素斑の辺縁が不規則で境界が一部不鮮明になったりしている。
  • 色調に淡褐色から濃褐色、 黒色までの濃淡がある。

急に大きくなったり、色が濃くなってきた場合、診断にはダーマスコピーという検査があります。ダーマスコープを用いて皮膚のある程度の深さまで観察を行い色素性病変や皮膚腫瘍の診断に有効です。足の裏の「ほくろ」の悪性の有無をある程度判別でき手術の必要性を判断できます。
いずれにしても、足底の「ほくろ」は診察を受け切除した方が無難です。

Q3

顔に「ほくろ」があります。最近大きくなってきたようですが癌の心配はないのですか。

A3

「ほくろ」は、生まれたときからあるものを先天性、生まれたあとからできるものを後天性として区別しています。

「ほくろ」がある場合、普通の「ほくろ」か、いわゆる「ほくろの癌(悪性黒色腫)」かが問題ですが、小さいうちは「普通のほくろ」と区別がむずかしいのです。
悪性黒色腫はメラノーマとも言い、大変悪性度の高い腫瘍で、一度発病すると死亡率が非常に高い恐ろしい病気です。
メラノーマの他に基底細胞癌や脂漏性角化腫などの鑑別が必要です。
まずはダーマスコピーによる診断が有用です。
日本人の場合、発生部位別の頻度を見ますと、足からの発生が全体の約40%で大半を占めます。顔からの発生頻度は約10パーセントですが、紫外線の影響で増加傾向にあります。

以下のような変化が見られるようなら皮膚の専門医の診察を受け、場合によっては切除などの治療を受ける必要性があります。

  • 左右が非対称である。
  • 色素斑の辺縁が不規則で境界が一部不鮮明になったりしている。
  • 色調に淡褐色から濃褐色、黒色までの濃淡がある。
  • 急に大きくなった

太田母斑・扁平母斑

Q1

太田母斑とはどのような病気ですか。治療について教えてください。

A1

思春期の女子の顔の半側に好発します。まれに眼球にも生じます。メラニン色素が皮膚の深いところに増え青い色調になるため、青アザとも言われます。自然消退はありません。
治療はレーザー治療(QスイッチルビーレーザーやQスイッチアレキサンドライトレーザー)が有効です。保険適応です。まずは診察を受けて下さい。

Q2

右肩に茶色い色素斑があり、他院で扁平母斑と言われたのですが、治療法はあるのでしょうか。

A2

大きな盛り上がりのない色素斑、または点状の色素斑として、多くは生下時に見られる母斑症。カフェオレ斑ともいいます。治療はレーザーを用いて行い保険適応ですが、治療の成功率は30%くらいと言われており難治性です。

単純性血管腫・いちご状血管腫

Q1

生まれた時から平らな赤いアザがあります。どのような治療がありますか。

A1

単純性血管腫と考えられます。

ポートワイン母斑とも呼ばれる赤アザです。自然に消えることは例外を除いてありませんので、レーザー治療をお勧めします。使うレーザーは色素レーザーで、赤い色に反応し血管にダメージを与えます。数回の治療が必要です。保険適応ですが、基本的に3か月に一度の治療になります。治療の度に照射部が紫斑になったり腫れたりします。難治性のものもあります。乳幼児や小児は全身麻酔が必要な場合があります。上眼瞼に生じたものは、眼圧亢進のため視力障害をきたす可能性がありますので、できるだけ早く治療を行う必要があります。但し新生児期から乳児初期にかけて、眉間や額の真ん中などにみられる淡紅色の紅斑は正中部母斑といって、1〜2年以内に大部分は自然消退するので、治療を行う必要はありません。

単純性血管腫に対するレーザー治療の効果は症例によって異なり治療の限界もあります。
まずは診察を受け、適応、注意事項をご理解頂いて治療を受けて下さい。

Q2

生後6ケ月の乳児ですが、腕に盛り上がった赤みのある腫瘤がでてきています。このまま様子を見ても良いものですか。

A2

話からして「いちご状血管腫」と考えます。いちご状血管腫は出生後、間もなく発生します。

最初は血管が拡張した赤い斑ですが、3~4週目から隆起性となり3~6ケ月で極期に達します。極期の臨床像は表面鮮紅色、顆粒状で一見いちごに似ています。 極期に到達後は一定期間の静止期を経て次第に退縮が始まり、大多数は学齢期以前に消退します。自然消退を待つのがいいという考えと、早期に治療すると比較的きれいに治癒するという考えの2通りの考えがあります。出来ている場所、進行の速度、血管腫の深さなど総合的に判断して治療するのがいいと思います。 目の周りの病変、気道の病変、巨大な病変、出血を繰り返す病変の場合は無条件で早期から積極的に治療します。治療法にはステロイドの内服、持続圧迫療法、放射線照射、レーザー照射などがあります。 最近ではプロプラノロールという内服薬が適応になり有効です。入院での治療が必要となります。

治療すべきかどうかは皮膚科専門医に相談しましょう。