1. 虫などによる皮膚疾患

虫などによる皮膚疾患

真ダニ

Q1

山に行って首を真ダニに刺されました。まだ虫体が動いていますが自分でむしり取って良いのでしょうか。

A1

虫体をむしり取っただけでは不十分で、虫体を含めた皮膚の切除や炭酸ガスレーザーによる焼却が必要です。無理に取ると皮膚内にダニの一部が残存し、異物反応や感染症をおこしてきます。真ダニは体長2mmから7mmに達する大型のダニですが、人や鳥獣に寄生して吸血します。

問題になるのはライム病という感染症です。これは、真ダニにボレリア菌という、スピロヘータの一種が感染している場合に起こってきます。このライム病は刺されてから数日から数週で慢性遊走性紅斑といって環状の紅斑が生じたり、数週から数カ月後に多発性の紅斑やリンパ球腫が生じたり、数カ月から数年後に慢性関節炎や神経、循環器症状が見られるようになります。

真ダニに刺された後、刺し口を中心に輪になった紅斑がみられたら、本症を疑います。最終的な診断はダニに刺された後4週間後に、血液検査で抗ボレリア抗体が陽性に出るかどうかで分かります。治療はペニシリン系かテトラサイクリン系の抗生物質によります。 近年SFTSウィルスによって引き起こされる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が問題になっています。発熱、腹痛、下痢、頭痛、神経症状、呼吸不全、出血症状などがみられ、重症化します。致死率は約20%です。

現在のところ有効な治療法がありません。以上の症状が現れたら、大学病院などの基幹病院や最寄りの保健所に相談して下さい。

虫刺され

Q1

海水浴に行って体中が虫に刺されて非常にかゆみが強く市販薬では良くなりません。どうしたらよいですか。

A1

海岸にはヤブ蚊、ブヨ、ヌカカなどいろいろの人を刺す虫がいます。
とくにヌカカは休長2mm大の小さな黒い虫ですが、これに刺されますと1cm大くらいまでの非常にかゆみの強い発疹が多発します。これをそのままにしておきますと痒疹といってゴリゴリした硬い結節状の発疹に変わっていきます。こうなりますと大変難冶性で、きちんとした治療をしても治るまでに月単位の日数を要します。

また、虫さされを掻いていてそこから細菌感染をおこし、伝染性膿痂疹(いわゆるトビヒ)になる場合があり、抗生物質による治療が必要になります。また、基礎疾患としてアトピー性皮膚炎などがありますと、掻きむしりによりアトピー性皮膚炎自体が悪化していくことがよくあります。

冶療はステロイド外用を中心に、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服、重症例にはステロイドの内服や、局所注射が必要の場合もあります。
いずれにしても単に虫さされと軽く見ないで、早めに専門医による治療を受けることを勧めます。

頭ジラミ

Q1

子供の頭に白いフケ様のものが見られます。頭ジラミでしょうか。治療と感染予防について教えてください。

A1

急に多数出現し、手や櫛ですいても簡単に取れなければシラミの卵と考えられます。よく探せば体長2-4mmの虫が見つかります。大人でもたまに見かけます。

鑑別すべきものとして、ヘアーキャストという皮膚のフケが、ちょうど刀のさやのように髪の毛に円筒状に絡み付きシラミの卵に見える場合があります。
冶療は虫を専用の薬で殺し、かつ髪に付いている卵を爪やピンセットで一つ一つ取るしかありませんが、卵を取り切るのはたいへんで、全ての卵が幼虫に孵化(ふか)してくる約l週間の間、幼虫を次々に薬で殺していくのが確実です。幼虫を放置しておくとまた2週間位で成虫となり新たに卵を生み付けますので注意が必要です。

治療薬は低毒性のフェノトリンを含有したスミソリンパウダーとスミソリンシャンプーがあります。

また、一度治っても何度でも感染をくり返し安心できません。感染している子がみんな早めに診察と治療を受けることが大事ですが、予防としては、感染している子供がほかの子供と頭をつけて遊ばないようにしたり、兄弟がまくらを一緒にしないことが大切です